平成17年度鹿児島市学校教育研究大会に係る研究実践報告

                                 

 鹿児島市立平川小学校

 

 

     確かな表現力の育成

子供一人一人が自分の思いや考えを、豊かに表現する力を身につけるための学習指導はどうあればよいか

 〜国語科(話す・聞く・話し合う)を通して〜 

                                  

 

1 本校教育目標と研究主題テーマとの関連

   

楕円:          学校教育目標

豊かな人間性を備え,確かな学力を身に付け,強い意志と創造性をもち,個性の伸長を図る実践意欲にあふれた,心身ともに健康で豊かにたくましく生きる児童を
育成する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究テーマ

  確かな表現力の育成

 

                 

子供一人一人が自分の思いや考えを、豊かに表現する力を身につけるための学習指導はどうあればよいか

 〜国語科(話す・聞く・話し合う)を通して〜

 

 

 

       豊かに表現するとは

 

子供たちが自分の思いや考えを「分かりやすく」「様々な方法を工夫しながら」表現する力ととらえる。

 

 

 

 

2 研究主題設定の理由

  子供たちが,将来社会人として生きていくのに必要なこととして基礎的な学力を身につけることは,必然のことである。それと同時に,多種・多様な考えの人々,変化し続ける環境の中で,自分を見失わずにたくましく生きていける,しかも異なる考えの人々と意思や感情などを伝え合いコミュニケーションを成立させ協調していくことも大切である。

  本校は,全校児童52名という小規模校であり,地域の中でのつながりを大切に生活している。子供同士では,みんな気軽に会話をし,異学年で遊んでいることが多い。しかし,大勢の前で話すことには苦手意識を持つ子供が見られる。

  発表することが好きだが,自信がなかったり,どう言っていいかわからなかったりして最後まで話せない子供もいる。また,相手に聞こえる大きさで話そうという意識が薄い。

  自分の気持ちをうまく伝えられず,誤解を招き暴言を吐いたり泣いたりする場面も見られる。そこで,国語科の,話す・聞く・話し合うの学習を通して,確かな表現力を培っていきたいと考える。

  また,3・4年生が昨年度より複式学級編制となり,ガイド学習を含めて,複式学級における表現力育成(・自分の考えや意見を整理し,根拠や理由を明確にして話す ・事実や根拠などに注意しながら話の内容を正確に聞き取る)など新たな研究課題となっている。

 

 

 

3 研究の構想

めざす子供像

             

O
 自分の思いや考えを進んで話すことのできる子供





O 自ら判断し,時と場,相手に応じた話し方,聞き方のできる子供



○自分や相手のよさ・存在感を認めた話し合いのできる子供

  

      

 

 

 

 

 


   

 

 

楕円: 研究仮説
相手や場に応じて「話す」「聞く」「話し合う」場を設定すれば,子供に豊かな表現力を身につけさせることができるのではないか。

 


  

 

 

 

 

                     

 

 

 

フローチャート : 判断: 研究内容
ア 各学年で確実に身につけさせたい力
イ 基本的な学習過程
ウ 表現力を広げる活動の取組

 


   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                      

              研究の実際

 

 (1) 授業中の支援の内容と方法の研究

@具体的な指導項目の設定

A話し方,聞き方の提示

・声のものさし」の掲示

・聞く態度

話し手の方を見て,目・耳・心で聞く指導の徹底

(2)   言語意識を位置づけた学習指導過程の工夫

    委員会活動や児童集会,読書タイムの活用

                 @ 児童集会での学級発表

A読書タイムでの児童による読み聞かせ

 

 

 

 

 

○具体的な指導項目の設定

  研修を通して,具体的な諸能力を「どの程度の水準」まで身に付けさせることが望ましいかを検討し,指導項目を設定した。

  指導項目は,「話す」「聞く」「話し合う」に分け,発達段階に応じて具体的に示せば分かりやすいのではないかと考えた。

 

 

 

 

話  す

 

 聞   く

 

話 し 合 う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

O相手に応じ,経験した事などについて事柄の順序を考えながら話す。

 

O相手にわかるように話す。

 

O興味をもって大事な事をおとさないように聞く。

 

O話題に沿って話し合う。

 

 

 

 

O相手や目的に応じ,調べたことなどについて,筋道を立てて話す。

 

O相手や目的に応じた適切な言葉遣いで話す。

 

O話の中心に気をつけて聞き,自分の感想をまとめる。

 

O互いの考えの相違点や共通点を考えながら,進んで話し合う。

 

 

 

 

 

O目的や意図に応じ,考えた事や伝えたい事などを的確に話す。

 

O話の組み立てを工夫しながら,適切な言葉遣いで話す。

 

O相手の意図をつかみながら聞く。

 

O自分の立場や意図をはっきりさせながら,計画的に話し合う。

 

 

4 実践

 

 (1)言語意識を位置づけた学習過程の工夫を図った実践

@       音読をできるだけ取り入れる。(一人読み・一斉読み・たけのこ読み・リレー読みなど)

A       低・中・高に応じた発表の場の仕方を指導・工夫する。

(順序よく話す・最後まで話す。など。上記参照)

B       ペアや小グループで自分の考え・意見・感想を発表する場をもつ。

C       45分の中で全員に発表させる。

D       振り返りの場の設定をする。

 

(2)学習に主体的に取り組み,表現力を高めるための工夫(複式学級)

@       学習計画表ボード 

A       ガイド学習の流れ

 

 

 

 

 

 

 

 

                       

 教室掲示 聞く態度の指導             声の大きさの指導

 

 

5 成果と課題

 

       子どもたちは,少しずつではあるが,話すこと,発表することに抵抗感がなくなりつつある。

       国語以外の教科でも,音読や発表をたくさん取り入れるようになった。

       自分から進んで発表するようになってきた。

       音読が習慣化され,上手になってきた。

       詩や名文,英文を暗唱して楽しく声を出すことができるようになってきた。

       授業だけでなく,児童集会・読書タイムなど全校での場の発表につなげることができた。

       掲示を利用し,「聞く」態度や「発表する」声の大きさを意識させることができた。

● 発表の仕方がわからない子どももいるので「〜です。」「〜ます。」「わかりません。」など基本的な発表話型を指導する必要がある。

● 自信をもって最後までしっかり発表できない(語尾が小さくなる)子どももいる。

● 学級の中では発表できるようになっているが,全校の場での発表でまだ,声が小さかったり恥ずかしがったりしてしまう子どももいる。

● 学級だけでなくいろいろな場において大きな声で話す練習が必要である。

● 児童集会・全校朝会・読書タイムなど大勢の前での発表の場を設定していく。