ことばの時間
平成13年度〜15年度,「文部科学省指定研究開発学校」として,自己表現力の育成を中心とした教育課程の研究開発を行いました。また,平成16年度は,延長指定を受け,現行の学習指導要領への移行研究を行いました。以下の文章は,平成15年度研究誌からの抜粋です。
研究開発課題
自己表現力を身に付けさせ,
生きる力を育てる教育課程の研究開発
〜「ことばの時間」の創造〜
1 「学習の自己化」をめざす取組
○子ども主体の学習
自己表現力を身に付けさせることをめざした本校の教育課程においては,次の3つを柱にしました。
(1) 教師主導の学習から子ども主体の学習へ移行し,自己学習力育成を図る。
(2) 絶えず自分を振り返り,今と将来の自分を的確にとらえる,自己理解力育成を図る。
(3) 自分のことばで考え,表現する,自己表現力育成を図る。
子ども自身が解決し,子どもたち同士で磨き合い,高めあうことができるような学習への移行をめざした取組です。
「子ども主体の学習」とは,「学習の中で子どもができるところは子どもに任せる。」という学習です。そのための教材研究が
重要になります。
2 教科共通の資質・能力
○教科に共通する「ことば」
このことについて,本校では以下のようにとらえています。
資質・能力を大きくとらえると,各教科の目標の中に見られる上位資質とそれを支える下位資質に分けられる。しかし,そ
の下位資質は,教科間において共通するものが多く存在し,ばらばらに身に付けさせるよりも統合的に身に付けさせたほう
がよいと考えられるものがある。その共通する下位資質を本校では「共通して育成すべき資質・能力」とよぶことにした。
本校の考える共通して育成すべき資質・能力とは,自ら考え,自ら身に付けた表現方法を駆使して自己を表現できる自己
表現力を支える力のことである。また,国語にかかわる知識・素養・能力などを含めた「国語力」を支える力でもある。
たとえば,「工夫する」ということばを例に取ると,各教科でよく使われ,また日常生活の中でもよく口にします。「〜を工夫し
てみよう。」という使い方がよく見られますが,では一体「『工夫する』ってどうすること?」
その使われ方は教科によって,内容によって違うのに,全て「工夫する」なのですね。このように,教科間を貫くことばに着
目し,そのことばはどういうことなのかという意味を理解するとともに,その言語活動は具体的にはどうすればよいのかという ことを子どもができるようにすることを目指しました。
3 「ことばの時間」の創造
○単元づくり
各教科に共通する内容や資質・能力を見つけ出し,それをことばという視点でつなぐことで単元化を図りました。
教科共通の内容や資質・能力 教科間をつなぐことばの一例) ・分ける ・まとめる
↓ ・説明する ・比較する
ことばの時間で取り扱う資質・能力 統合化し ・条件をそろえる ・問いをもつ
↓ ↓ ・企画する ・評価する
さらに取り扱うべき内容 単元化する ・図を読む ・図説する
↓ ↓ ・情報を見極める ・鑑賞する
教材化していく などなど
○中核教材「ことばワーク」
「ことばの時間」を進めるにあたり,子どもたちが思考を通しながら自分の考えを表現することができるように,一単位時間
の流れを意識したワークシートを開発しました。このワークシートは単元の開発と同時に行われ,「どう書くか」ということよりも
「どう考えるか」ということを意識したつくりにしました。
4 「ことばの時間」は今、
平成16年度に研究開発の指定期間が終了し,現行学習指導要領の時数への移行を行いました。その際に,この「ことばの 時間」は内容を厳選し,「総合いしきだい」(総合的な学習の時間)に組み入れることにしました。
また,この研究において取り組まれた「子ども主体の学習」「朝の表現タイム」や「思考語彙カード」などは,「ことばの時間」 の研究開発が終わった今も引き続き行われています。