3月9日

2020年03月09日

 昔「生協の白石さん」という本が話題になった時期がありました。大学生協でみなさんからの一言(玉龍生徒会で言うところの目安箱でしょうか)に対する生協職員の白石さん(実在人物です)のコメントがウィットに富んでおもしろいと話題になり,とうとう出版されたというものです。その数学版ともいえる「よろず数学問答」という本が2008年に出版されました。著者は私自身が大学生のときにいらっしゃった先生だったので,すぐに手にとって購入しました。大学で数学の授業に関する質問を書いてもらったものに先生が回答するスタイルです。え~~数学??? という声が聞こえてきそうですが,2つ紹介します。

 Q log は,何でこんな記号で書くのですか? 昔10g と間違えて笑われました。

 A ユーモアがあって楽しい質問(ネタ)ですね。秋山仁先生の随筆にもあります。この

  業(数学)を20数年やっていますが,全然気がつきませんでした。 loglogarithm(対

  数)の最初の3文字です。分野によっては logX の代わりに lnX と表すようです。東欧や,

  地域に限らず工学系では普通に使っているようです。世界は広いですね。数字を指で数え

  る数え方も,数字の書き方も国によっては異なることもあるようです。世界を旅するとき

  は注意しましょう。

 Q 昔から疑問なのですが,かけ算で,(マイナス)✕(マイナス)=(プラス)になる,と

  いう必然性がわかりません。

 A 数直線を「ひっくり返す」という操作を-1を掛けるということと見なします。それを2

  回続けると何もしないことと同じ,つまり1を掛けることになるので,ほら,

    (-1)✕(-1)=1 は自然ですね。

 

 にやっとしてくれた人がいたら嬉しいですが,2つのことを伝えたいと思います。この先生が質問を書かせた理由は,質問の内容を見ることで授業の定着度がわかるからだそうです。つまり,授業が終わって,友達同士で話題にしたり,先生に質問することはとても効果があるということです。もう一つは,数学って世界共通語と思っていたけれど,細かい部分で違いがあるということ。当たり前のようだけど実は国際理解という点では重要な部分なのではないかと感じます。そういう違いを楽しみながら,相互理解が深まるといいですね。

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