3月12日

2020年03月12日

 9年前の今日は九州新幹線が全線開通した日です。この日のために企画されたのが「全線開業前にカメラを搭載した試運転列車を鹿児島中央駅から博多駅まで走らせ,沿道に集まった人々を撮影して一つのCMにする」というもの。九州のみなさんとお祝いしたいというコンセプトの元作られたこのCMは,とても心温まるすてきなCMでした。ところが,全線開通の前日,東日本大震災が起こり,当然式典をはじめCMの放送も取りやめになります。日本中が悲しみと混乱で疲弊している中,このCMは公式サイトでの動画配信が継続されていて,やがて,その動画が地震による被災者を勇気づけていると反響を呼びます。そういう声が大きくなり2011423日からは九州地区でCM放映が再開され,日本中の人に元気を与えるという役割を果たします。私は,このCMを見ると,震災の悲しみや苦しみ,やりきれない気持ちが一気に蘇ってきます。でも明るい音楽に頑張ろうと思い元気をもらえるのです。

 ほぼ同じ時期に,もう一つ別のCMが話題になりました。「森の木琴」というドコモのCMで,森の中に間伐材で作られた44mの木琴の上を玉が転がってバッハの「主よ,人の望みの喜びよ」を奏でます。とても気持ちが安らぐCMです。機会があったら聴いてみてください。音楽や映像など芸術の力は大きいですね。休校やイベント・行事の自粛で気持ちが沈んでしまいがちですが,いろいろな支援にほっとしたり,心安らぐ音楽に出会ったり,元気をもらったり,そんなことに気づかせてもらえたことは有難いなと思います。

トップへ