学校便り第5号(9月1日発行)校長巻頭言

2021年09月02日

         オリンピック、パラリンピック、そして時差登校

                                校長 上久保大介

 

 2020東京オリンピックが終了しました。新型コロナウイルスがまん延する中、開催して良かったのか悪かったのかは専門家ではないのでわかりません。しかしオリンピックで精一杯努力して戦った人たちがいたことは事実です。私は本格的なスポーツの経験もありませんし、これと言って特別に好きなスポーツもありません。ましてや、ひいきする選手もいません。ですが、どういうわけか世界大会やオリンピックは違います。いろいろなスポーツを見て、応援したくなってしまいます。それはきっと、応援したい人たちがいるからだと思います。「日本を応援したい。」この思いがオリンピックに気持ちが引き寄せられる理由だと思います。「にわかファン」という言葉もありますが、それが悪いとは思いません。この大舞台に出るまでいかほどの努力を重ねてきたのか、私には想像すらできません。勝ちたかったのに、夢がかなわなかった人たちもたくさんいます。本当は悔しいはずなのに、それでも「戦いが終わった後の、お互いを讃えあう姿」には「お互いを尊敬しあう、心の交流」を見ることができます。
 普段スポーツを好んでは見ない私が、桜丘中を応援したくなるのも、桜丘中が応援したい存在だからだと思います。保護者の皆さんも、お子さんが部活に入っていると応援したくなるのではないでしょうか。「応援されることの喜び」があり、「応援する人たちがいることの幸せ」があるというこの関係性は、苦しい努力を続けてきたアスリートたちに大きな勇気を与えたのではないかと思います。そして、この構図は個人の戦いでありなら、コミュニケーションなくしては最高のパフォーマンスは出せないということの証明でもあるような気がします。それが1年の延期を経て、今年日本で開催されたという奇跡的なタイミング。いろいろなことを再認識したオリンピックでした。
 現在、パラリンピックが開催されています。パラアスリートたちのこれまでの努力は計り知れないものがあるはずです。様々な困難を乗り越えて戦う姿には、簡単に「個性の発揮」と言うには憚られる(はばかられる)ほどの圧倒的な力強さがあり、そのパフォーマンスの高さには驚かされるばかりです。
 2学期が始まりました。突然の時差登校で全てが混乱の中で始まっています。どのような対応が最も良いのかについては答えは見つかりそうもありません。苦労し、工夫しなければならないことは、これから先まだまだ続きそうです。コロナ禍の中での2学期は辛いことや嫌なこと、逃げ出したくなることもたくさんあると思います。しかし少しでも、より良い方法を探して、取り組んでいくことが大切です。多くの努力を重ねて競技に挑んだオリンピックアスリートやパラリンピックアスリートには到底及ばないかもしれませんが、可能性を信じて、みんなでこの苦難を乗り越えていきましょう。

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