学校便り11月号 校長巻頭言

2021年11月18日

                 学年文化祭終了
                                 校長 上久保大介 
 10月29日(金)は、学年ごとの文化祭がありました。
 コロナ禍により計画は二転三転し、最終決定したのは本番の3週間前。ところがその週は中間テストがあったため、なかなか始動できず、本格的な準備が始まったのは2週間前でした。昼休みや放課後の合唱練習も本番の2週間前の18日(月)からで、この時点で音取りも不十分な状態でした。音取りは音楽の時間に1学期から始めていましたが、「マスク着用」の状態では思うようには進んでなかったのです。加えて、文科省からは、こともあろうに「歌ってはいけません。」「歌ってもささやくように。」という指導があり、普段の生活の中でも「大声を出してはいけません。」などと、不自由な制限があり、まるで声の出し方さえ忘れてしまいそうでした。私がこれまで経験した中で、最大のピンチが今年訪れたわけです。「歌を忘れたカナリヤに歌を!」「でも、2週間で完成を?」それはまるで、「走りこんでいない人がオリンピックに出るようなもの」、「軽自動車でF1レースに出場するようなもの」だったのです。それでも、生徒や先生たちはあきらめませんでした。心配はつのりながらも前に進まないわけにはいかないのですから。不自由な条件の中で、限られた時間の中で、何ができるのか、どのようにすればより良いものを作れるのか、という思いで頑張ってきました。しかし、残り1週間を切ると私の中では、「間に合うのか?」という心配が「間に合わないかもしれない。」という絶望感になったり、「いや、何とかなるはず。」という光を求める思いになったりしました。それは、合唱だけではなく、全ての舞台発表、展示発表に対しても同じでした。
 しかし、文化祭当日、私の心配をよそに生徒たちは何事もなかったかのように、堂々と歌ったり、自信をもって発表をしたりしていました。展示物も授業での指導が生きて、個性あふれる多彩な作品が出来上がっていました。とても驚き、そしてうれしかったです。と同時に、「2、3日前はできていなかったのに、なぜできたの?」という喜びを伴った疑問もわきました。でも、答えはわかっているんです。指導してくださった先生方のおかげです。そして何より、短い期間でパフォーマンスを最高地点まで高めていった生徒自身のおかげなんです。
 何はともあれ、今回もコロナ禍の中での学校行事を成功裏に終えることができました。

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