「3.11から未来へ」

2020年03月11日

 2011年の今日,東日本大震災が発生して9年目を迎えます。

 社会科の地理(日本)の単元「東北地方」には,「過去からの継承と未来に向けた社会づくり」という小単元があります(地理の教科書:248ページです)。

 東北地方は,明治三陸地震(1896)や昭和三陸地震(1933)の津波で多くの犠牲者を出し,過去の経験を忘れぬようにという思いで教訓を石碑に記憶として残し,記憶を引き継ぐ役割をはたしています。

 宮城県仙台市では,「仙台版新防災教育副読本『3.11から未来へ』」で「方丈記」や「平家物語」などの古典を通じて,当時の地震の様子や人々の地震の受け止め方を学ぶ活動を行っているそうです。その中から「方丈記」にかかれた地震のようすの口語訳を紹介いたします。

  

       地理の教科書資料より

 

 「また,元暦(げんりゃく)二年(1185年)のころ,大地震があったことがある。そのさまは尋常ではなかった。山は崩れその土が川をうずめ,海が傾いて陸地に浸水した。大地は裂けて水が湧き出し,大きな岩が割れて谷に転がり落ちた。波打ち際を漕ぐ船は波の上に漂い,道行く馬は足の踏み場に惑っている。いわんや,都のあたりでは至る所,お寺のお堂や塔も一つとして無事なものはない。あるものは崩れ,あるものは倒れている。塵や灰が立ち上がって,もうもうとした煙のようである。大地が揺れ動き家屋が倒れる音は雷の音とそっくりだ。

(略)このようにひどく揺れることは暫くして止んだけれども、その余波は絶えなかった。びっくりするような地震が二・三十回と起こらない日はなかった。(略)その名残は三か月ばかり続いた。

(略)その直後には誰も彼もがこの世の無常とこの世の生活の無意味さを語り,いささかの欲望や邪念の心の濁りも薄らいだように思われたが,月日が重なり,何年か過ぎた後はそんなことを言葉にする人もいなくなった。」

 

 災害が起こったときの対処法や交通安全は,避難訓練や交通安全教室や交通安全週間だけではなく,日々気に留めておかなければならないことです。また,過去の大災害も時が経てばだんだんとその出来事が風化されがちです。

 過去に起こった災害を忘れることなく,ご家庭でも改めまして「地震など災害が起きたときに,気をつけることは何か」・「避難場所や連絡方法は」などということを話題にして下さいますようお願いいたします。

 

(※ 本校は,本日,国旗・市旗・生徒会旗は半旗で揚げています。また,14時46分に黙

  祷を行います。ご家庭でもこの時間は黙祷をお願いいたします。)

 

(引用文献)

 「新編新しい社会 地理」(東京書籍)

(引用ホームページ)

 「仙台市教育委員会 2019年度版仙台版教育副読本『3.11から未来へ』」(宮城県仙台 

市教育委員会)http://www.sendai-c.ed.jp/06siryou/01fukudokuhon/01bousai/disaster.html

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