彩りの時季

2024年03月27日

彩りが増える桜の木にばかり目が行ってしまいがちですが、足元にも淡い桃色がありました。八重咲のフリージアです。

正門から西道への道には、ガザニアが満開でした。根を張っているのと葉が銀色に光るのが特徴です。

今年の卒業生記念樹のヤマザクラは若葉を青空へ伸ばしています。

空の色を写している錦江湾には小型船が行ったり来たりしていました。今日は子どもたちの声が校舎には響かない日です。カレンダーでは月末と週休日が重なるため、職員は「本年度は今日を入れてもあと3日!!」と、様々なまとめの仕事をしております。

玄関には、卒業式を彩った花たちが運ばれており、来客者をお出迎えいたします。

【桜峰随想】

学校だより(3月号)の巻頭言をここにもアップいたします。修了式でも文面を変えて同じようなことを子どもたちに話しました。

 

~嫌いと苦手~ 

 春は、進学や就職、転勤・転校など『別れと出会いの季節』と言われます。節目になると人はリセットしようという気持ちから、これまでできなかったことに挑戦しようとする気持ちが芽生えてきます。その際、いつも考えていることについてお話します。

 成長を妨げる心理的要因に『嫌い・苦手』というものがあります。ひとくくりにしましたが『嫌い』と『苦手』は似ているようですが違うものです。『嫌い』というのは、ピーマンが嫌い、運動が嫌い、あの人が嫌いというようにそのもの自体を否定し、自分の前にある扉を頑なに閉じて開けることを拒みます。しかし、『苦手』は、ピーマンが苦手、運動が苦手、あの人が苦手というように、扉を開けて何とか努力し、取り組んでみた結果、なかなかうまくいかなかった状態だと考えます。でも『苦手を克服する』というように努力や工夫次第で得意になったり、好きになったりすることがあります。

 私は、小学生の頃は走ることが嫌いでした。小学校の時は“持久走大会が雨になればいいのに。いや、雨になっても延期になるから自分が風邪を引けばいいのかも”と真剣に考えたこともありました。(風邪は引こうと思ったら引けないものですが)中学生になると持久走大会の距離が長くなり、一層『嫌いの度合い』が増すかと思っていました。しかし、友達と「中学校を卒業したら高校では専門的な陸上部の人たちが走るのだろうから、走るのが嫌いではなく、苦手だと思いながら練習してみよう。」と始めました。(実際、高校に進学したら10kmロードレース大会がありましたが)嫌いなものが早々、苦手になることはありませんでしたが、友達との声の掛け合いなどで、それなりに『苦手』になってきました。そして、30代最後の年に友達と「30代記念にフルマラソンに出よう!」と決め、また練習を始めました。すると、体調もよくなり、『ランナーズハイ』というのでしょうか、苦手がだんだん克服されていく過程を味わってきました。初マラソンは散々でしたが、その後、得意ではなくても好きになっていき、先日の鹿児島マラソンで37回目の大会に参加しました。

 人も同じではないでしょうか。「苦手だと思っていたあの人も何度か話すうちにその人となりを理解できるようになった。」など、努力や多面的な見方で、変わることもあります。『出会いと別れの季節』と言われる春-。人と自分を見つめ、自分の中の『嫌い』を『苦手』に変えるきっかけにしてみてはいかがでしょう。

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