日本の伝統文化を受け継いで

2023年12月18日

 昨日、おやじの会主催で「門松づくり&餅つき」が行われました。親子でのミニ門松づくりに加え、正門にも堂々とした佇まいの立派な「門松」が出来上がりました。門松の飾りの中に松・竹・梅・南天とともに『ゆずり葉』の枝が添えられています。寒さとともに落葉する木々の多い中で,生き生きとした葉をたずさえて異彩を放っているのが,『ゆずり葉』の木です。方言で『ゆずい葉』とも呼ばれています。『ゆずり葉』の木には,新芽が出揃うとともに一斉に古い葉を落とすという性質があります。つまり,古い葉が,新しい葉に命を託す(バトンを受け渡す)という特徴があるのです。正月飾りに『ゆずり葉』を添えるしきたりには,旧年中の出来事を拭い去り,新しい年に希望を託すという思いが込められているのではないでしょうか。

 そもそも,門松の松は神霊が宿る木ということで,「歳神様」が道に迷わないための目印として玄関先に置きます。鏡餅は,歳神様に対するお供えで,家の中の一番の上座である床の間とか神棚に置きます。鏡餅には橙を使いますが,「代々家が栄えますように」という願いがあります。おせち料理も歳神様へのお供え物で,「蓮根・人参・大根・なんきん」など「ん」の付く食材が多いですが,「運が付くように」です。お箸は「両口箸」を準備されますが,これは「神人共食箸」と言って,神様と共に食事をし,喜びを分かち合う意味があります。

 このような日本の風習が私たちの生活の中に息づいてきています。松尾芭蕉は「去来抄」で「不易流行」のことを言っています。伝統として残すべきものと時代の要請等で変化させていくものがありますが,残すべきものは残し,改善を図るべきものは新たな成長へとつなげる辰年の一年にしたいと思いながら、門松を眺めるものでした。

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